LFコンサート
LF CLASSICWorld Classical Music News
MENU
♪
Portal
メニュー
Category
カテゴリ
Sources
情報ソース
🇺🇸 アメリカ現代音楽Muzykalnaya Zhizn · 2026年10月3日 00:02 · インタビュー· 約6分で読めます

Стив Райх: Из тысячи пьес лишь одна обладает музыкальной ценностью

作曲家スティーヴ・ライヒが1972年のインタビューで語った位相幾何学(フェイズ・シフト)の発見と音楽的探求

日本語要約
米国の作曲家スティーヴ・ライヒの記念の節目を前に、1972年にエミリー・ヴァッサーマンが『Artforum』誌で行ったインタビューの抄録が公開された。ライヒは1965年のテープレコーダーのずれによる「フェイズ・シフト」発見の経緯や『It's Gonna Rain』『Come Out』の制作背景、エレクトロニクスに対する考え、セリー音楽やジョン・ケージへの見解、即興を排してコントロールとアンサンブルを重視する理由などを語っている。
全文(日本語)

スティーヴ・ライヒ(SR)は、1960年代から1970年代の作品によって音楽の展開や形式の捉え方に大きな影響を与えたアメリカの作曲家である。彼はフェイズ・シフトを初めて記述し、それを磁気テープから生演奏へと移行させ、ミニマリズムがコンサートホールへと進む道を切り拓いた。節目の記念を前に、『ムジカーリナヤ・ジーズニ(音楽生活)』誌は、1972年に行われたライヒへのインタビューの抄録を掲載する。対話は『Artforum』誌のためにエミリー・ヴァッサーマン(EW)が担当した。まだアカデミックな評価から遠かった当時、ライヒは自らの創作活動を決定づける考えを明確に述べていた。

テキスト:エミリー・ヴァッサーマン/ロシア語訳:ユリア・チェチコワ

EW:作曲技法としてのフェイズ・シフトのアイデアについてお聞かせください。

SR:フェイズ・シフトは1965年にまったくの偶然から発見しました。サンフランシスコのユニオン・スクエアで、私は大洪水について説教していた街頭の伝道師ウォルター兄弟の声をテープに録音しました。彼の話し言葉の歌のような性質に衝撃を受けました。彼の声でテープループを作りながら、すべては音、すなわち音の高さ、声の音色、語られる言葉のリズムにあり、言葉の意味そのものは次第に後退していくことに気づきました。

EW:その状況から『It's Gonna Rain』の基礎が生まれたのですね?

SR:そうです。完全に同じ長さの2つのループを入れた2台のテープレコーダーがありました。録音を同期させることで2つの同一物のあいだにある関係を生み出そうと考え、同じ速度で再生しました。ループの不完全さやモーター速度のわずかな違いにより、わずかな位相のずれ、つまり徐々な分岐が生じました。それを聴いたとき、ひとつの場所で始めて別の場所へ移行するという音楽構造の問題の解決策を見つけたと悟りました。一切の移行(転調や変化)なしに、同じ素材で多様な関係性を通り抜ける素晴らしい方法に思えたのです。それは継ぎ目のない、連続的なプロセスでした。もちろん、伝道師の声の響きに惹かれたこともあります。千の曲を書くことはできても、音楽的価値を持つのはそのうちの1曲だけでしょう。『It's Gonna Rain』は、2台のテープレコーダーを観察した結果として生まれたフェイズ・シフトを文字通り具現化したものでした。そして何よりも、自分自身のコントロールなしに何かが起きるのを見つめるという、非個人的な体験についてのものでした。もう一つの側面は数学的正確さであり、このプロセスはこれ以上ないほどあらかじめ決定されていました。

EW:他の作品でもエレクトロニクスを使用しましたか?

SR:はい、『Come Out』(1967年)はおそらく私の曲の中で最も知られているものです。また『Melodica』(1966年)もありますが、あまり言及されません。実を言うと、電子的に生成された音そのものには一度も興味を持ったことがありません。私が録音機器に目を向けた唯一の理由は、それらが話し言葉を扱うための空間を開いてくれるからでした。

EW:マニフェスト『漸進的プロセスとしての音楽』(1968年)の中で、「すべての音楽は民族的である」と述べていますね。どういう意味でしょうか?

SR:電子機器そのものが、フェードアウトのような音楽的概念を示唆することがあります。西洋文明が生み出した機器に向き合うことで、作曲家たちは自然にある種の音楽的技法を発見することになりました。私がすべての音楽は民族的であると言うときに意味しているのは、自分が生きている場所に根ざしているということです。そのため、特に技術的新機軸への熱狂が頂点にあった1960年代に電子音楽に携わることは、今日オーガニック食品に熱中することと同じくらい、西洋人にとって自然なことでした。単にそうした機器が人々のインスピレーションの源となったというだけです。民族音楽をドラムと同一視するのは、他者の文化を外から見ているにすぎません。一方で、同じ距離から西洋文明を観察する人は、エレクトロニクスがその生活様式に組み込まれ、音楽に表現を見出していることに気づくでしょう。現在、この文化がエレクトロニクスから環境配慮へと関心を移すにつれて、技術から離れつつあるように見え、それは音楽にも影響を及ぼしています(例えば『Drumming』のように)。私はこれらを因果関係として解釈したわけではありませんが、現在を生きているため認識しており、私の心と身体も当然これらのプロセスを反映しています。

EW:作曲プロセスと、実際に鳴り響く音楽とのあいだに聴覚的な一致がないという問題に触れていましたね…

SR:私はジョン・ケージやセリー技法の作曲家たちのことを指していました。

EW:隠された構造的技法を用いることには決して惹かれなかったとおっしゃっていました。それは電子機器にも当てはまることですか、それとも純粋に作曲についてのことでしょうか?

SR:厳密に作曲についてです。セリー音楽では構造そのものを聴き取ることができず、極めて隠蔽されていて複雑です。表面上は極めて混沌として聞こえますが、根本においては厳格な秩序に従っています。

EW:つまり、記譜された音楽と、実際に耳で知覚されるものとの不一致に不満があったということですか?

SR:そのような音楽そのものに、感覚的に惹きつけられたことがありませんでした。おそらく、隠された構造に喜びを見出す特定の思考様式に向けて作られているのでしょう。私は異なっており、完全に観察可能で、完全に開かれたものであってほしいのです。そしてそれがすべての聴き手にアクセス可能で完全に知覚できるとしても、すべてを一度に聴き取ることは不可能です。何かが隠されているからではなく…

EW:あるいは時間的な持続が理由でしょうか?

SR:いいえ。私の音楽におけるパターンは少数ですが、それらが同時に鳴るとき、耳はそれらを一つの全体として捉えます。そしてその全体の中で、無限に存在する細部へと注意を向けることができるのです。

EW:どういう理由で即興をあれほど断固として拒否するのですか? なぜあなたの音楽はコントロールに依存しているのでしょうか?

SR:コントロールには様々なものがあります… 私はあまり優れた即興演奏家ではなく、それが影響していることは間違いありません。そのため独奏楽器のための音楽にはあまり興味がありません。私は名手(ヴィルトゥオーソ)タイプの演奏家ではないのです。すべてのパートが厳格に平等で極めて単純であるアンサンブルの中で音楽家たちを組織化するという、別種のヴィルトゥオジティが存在します。しかし、そうした組織化によって、何かが生まれるのです。

原文(抜粋)
Стив Райх (СР) – американский композитор, чьи работы 1960–1970-х годов заметно повлияли на то, как сегодня понимают музыкальное развитие и форму. Он первым описал фазовый сдвиг и перенес его с магнитофонной ленты в живое исполнение, открыв минимализму дорогу в концертный зал. В преддверии юбилея «Музыкальная жизнь» публикует выдержки из беседы с Райхом, которая состоялась в 1972 году. Разговор вела Эмили Вассерман (ЭВ) для издания Artforum . Именно тогда Райх – еще вдали от академического признания – сформулировал идеи, определившие его творческий путь. Текст: Эмили Вассерман Перевод: Юлия Чечикова ЭВ Расскажите, пожалуйста, об идее фазового сдвига как композиционного метода. СР Фазовый сдвиг был открыт мной в 1965 году совершенно случайно. На Юнион- с кве р, в Сан-Франциско
▼関連キーワード解説 (2)
スティーヴ・ライヒ人物・団体Wikipedia ↗

スティーヴ・ライヒ は、ミニマル・ミュージックを代表するアメリカの作曲家。母は女優のジューン・キャロル(旧姓・シルマン)。異父弟に作家のジョナサン・キャロル。

ジョン・ケージ人物・団体Wikipedia ↗

ジョン・ミルトン・ケージ・ジュニア は、アメリカ合衆国の音楽家、作曲家、詩人、思想家、キノコ研究家。実験音楽家として、前衛芸術全体に影響を与えている。独特の音楽論や表現によって音楽の定義をひろげた。「沈黙」を含めたさまざまな素材を作品や演奏に用いており、代表的な作品に『4分33秒』がある。

出典: Wikipedia 日本語版(各項目の要約・CC BY-SA)
次に読むなら
スティーヴ・ライヒ の他の記事
🇫🇷 フランス現代音楽レビューClassica10/1 16:01
FCベルグマンがスティーヴ・ライヒの『ドラミング』を舞台化した『ポイント・ネモ』をシャトレ座で上演、アンサンブル・アンテルコンタンポランらが出演
Point Nemo, l’art délicat de perdre le contrôle
ベルギーのコレクティブFCベルグマンは、スティーヴ・ライヒの『ドラミング』を用いた舞台作品『ポイント・ネモ』をパリのシャトレ座で上演した。本作では音楽が舞台の母体となり、言葉のないドラマトゥルギーが生み出される。指揮者を置かず、アンサンブル・アンテルコンタンポランとシナジー・ヴォーカルズが数学的厳密さを持つ総譜を演奏した。
FCベルグマンスティーヴ・ライヒシャトレ座
FCベルグマンがスティーヴ・ライヒの『ドラミング』を舞台化した『ポイント・ネモ』をシャトレ座で上演、アンサンブル・アンテルコンタンポランらが出演
🇺🇸 アメリカ現代音楽ニュースClassica10/2 19:31
スティーヴ・ライヒが2台のテープレコーダーのズレから「フェージング」を発見した経緯を振り返る
Le jour où deux magnétophones se sont désynchronisés
1965年、スティーヴ・ライヒは2台のテープレコーダーがわずかにズレる機械的欠陥から「フェージング」現象を偶然発見し、楽曲『イッツ・ゴナ・レイン』を完成させた。その後『カム・アウト』を経て、人間が生演奏で機械に対抗できるかを実験。1967年にはアーサー・マーフィーと共に2台のアコースティック・ピアノのための『ピアノ・フェイズ』を初演し、生身の演奏によるフェージングを確立させた。この技法は『ヴァイオリン・フェイズ』や『ドラミング』へと発展した。
スティーヴ・ライヒダリウス・ミヨー
スティーヴ・ライヒが2台のテープレコーダーのズレから「フェージング」を発見した経緯を振り返る
🇺🇸 アメリカ現代音楽ニュースOperaWire9/26 01:30
ジュリアード音楽院、90歳を迎える卒業生の作曲家スティーヴ・ライヒにプレジデンツ・メダルを授与
The Juilliard School Honors Steve Reich on his 90th Birthday
ジュリアード音楽院は、同校の卒業生でピューリッツァー賞受賞作曲家のスティーヴ・ライヒの90歳を祝う演奏会に先立ち、9月22日(火)にプレジデンツ・メダルを授与した。式典後は学生による記念公演や、ライヒのスピーチ、質疑応答セッションが行われた。
スティーヴ・ライヒダミアン・ウォッツェルジュリアード音楽院
スティーヴ・ライヒ の記事をすべて見る →
同じテーマの最近の記事
🇬🇧 イギリス現代音楽ニュースGoogle News EN ホール10/2 18:03
毛利悠子がロンドンのバービカン・センター「ザ・カーブ」で個展『In Concert』を開催へ、クリスチャン・マークレーとの共演も予定
Yuko Mohri: In Concert | 2026年10月1日 - 2027年1月24日 - tanyabonakdargallery.com
日本人アーティストの毛利悠子が、ロンドンのバービカン・センター内のギャラリー「ザ・カーブ」にて大規模な新作展『In Concert』を2026年10月1日から2027年1月24日まで開催する。ロンドン交響楽団のリハーサルやコンサートホールからの音の響き、ジョン・ケージらのライブエレクトロニクスに着想を得た新作インスタレーションを発表。2026年10月8日にはクリスチャン・マークレーとのパフォーマンスも予定されている。
毛利悠子ジョン・ケージバービカン・センター
🇬🇧 イギリス現代音楽ニュースGoogle News EN ホール10/2 06:03
毛利悠子がロンドンのバービカン・センター「The Curve」で大規模個展『In Concert』を2026年10月より開催、クリスチャン・マークレーとの共演も発表
Yuko Mohri: In Concert | October 1, 2026 - January 24, 2027 - Tanya Bonakdar Gallery
日本人アーティストの毛利悠子が、ロンドンのバービカン・センター内のギャラリー「The Curve」にて大規模な新作展『In Concert』を2026年10月1日から2027年1月24日まで開催する。ロンドン交響楽団のリハーサル見学から着想を得た本展では、ジョン・ケージらのライブエレクトロニクスに影響を受けた『Decomposition』シリーズの新作や『モレモレ(Leaky)』シリーズなどが展示される。2026年10月8日には毛利悠子とクリスチャン・マークレーによるパフォーマンスも行われる。
毛利悠子ロンドン交響楽団バービカン・センター
🇺🇸 アメリカ現代音楽ニュースClassica10/2 20:01
スティーヴ・ライヒの音楽を知るための10作品プレイリスト
Playlist Steve Reich :10 œuvres pour découvrir sa musique
スティーヴ・ライヒの音楽を知るための代表作10曲が年代順に紹介されている。『クラッピング・ミュージック』、『18人の音楽家のための音楽』、『テヒリーム』、『ディファレント・トレインズ』、『WTC 9/11』などの作品の背景や推薦録音が取り上げられている。
スティーヴ・ライヒラス・ハーテンバーガー
スティーヴ・ライヒの音楽を知るための10作品プレイリスト
タグ
スティーヴ・ライヒエミリー・ヴァッサーマンユリア・チェチコワウォルター兄弟ジョン・ケージユニオン・スクエアIt's Gonna RainCome OutMelodica音楽としての漸進的プロセスドラミング
原文を読む → Muzykalnaya Zhizn
この記事をシェア
X でシェアFacebookLINE
← 記事一覧に戻る