A Detroit, Christine Goerke troque Grane contre VOX
ソプラノ歌手クリスティーン・ガーキーが新組織「VOX Detroit」を設立し芸術監督に就任
メトロポリタン歌劇場で1995年のデビュー以来15役以上を演じ、ブリュンヒルデ、トゥーランドット、エレクトラ役で特に注目を集めたアメリカのソプラノ歌手クリスティーン・ガーキーが、デトロイトの才能あるアーティストたちの声を届けるという新たな使命に取り組んでいる。彼女は地域のアーティストに活動機会を提供することを目的とした新組織「VOX Detroit」を立ち上げ、創設者兼芸術監督に就任した。
ミシガン州に拠点を置き、文化的な再生を遂げつつあるデトロイトに強い愛着を持つ彼女は、現地の状況を熟知している。デトロイト・オペラの准芸術監督として、若手歌手の育成やキャリアの第一歩を支える若手アーティスト向けプログラムの再構築に貢献するなど、後進の育成に力を注いできた。2024年にこの常勤の役職を退いて芸術コンサルタントとなった際も、芸術を支援しデトロイトを自らの拠点とみなし続ける意志を表明していた。
「VOX Detroit」において、彼女の試みはさらに進められる。オペラだけでなく、キャバレー、ミュージカル、リサイタル、シャンソン、詩、朗読劇なども取り上げられる予定である。ジャンルの境界にとらわれず、人間の声が表現できるすべてのものを称えることを目的とし、デトロイトのアーティストと外部からの出演者との交流促進も目指す。
最初の公演となる「Beyond the Aria」は、2027年4月18日にジェム・シアターにてキャバレーの雰囲気の中で開催される。ガーキーは、『南太平洋』でトニー賞を受賞したバリトンのパウロ・ショットらとステージを共にする。実績あるアーティストと新進気鋭の才能の出会いを軸に企画されたこの夜は、クレイグ・テリーの音楽監督およびピアノ伴奏のもとで行われる。
その数日後の4月24日、「VOX Detroit」はミュージック・ホール・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツと提携し、「クラシック・オペラ・シリーズ」の一環としてセミ・ステージ形式の『道化師』を上演する。スザンヌ・アクトンの指揮のもと、カニオ役にエリン・ドゥエイン・ブルックス、ネッダ役にマリア・ナターレ、トニオ役にパウロ・ショット、シルヴィオ役にジェイコブ・スルジン、ペッペ役にレオ・ウィリアムズが出演し、デトロイト・ユース・クワイアも参加する。
これまで舞台上で燃え尽き、戦い、命を落とす運命にあるヒロインたちを演じてきたガーキーは、今や、まだ自らの声を見出そうとしている人々に仕事や注目、舞台を提供するという全く異なる使命に専念しようとしている。