エリザベートコンクール5位入賞のチェリスト北村陽…現代曲の挑戦やベルリン留学で成長 (読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
エリザベート王妃国際コンクール5位入賞のチェリスト北村陽、入賞記念リサイタルと近況について語る
今年5月にベルギー・ブリュッセルで開催されたエリザベート王妃国際コンクールで5位に入賞したチェリストの北村陽が、コンクールで演奏した曲目も盛り込んだ入賞記念リサイタルに23日臨んだ。活躍めざましい近況と、リサイタルへの抱負を明かしている。
同コンクールは課題曲に現代曲が多く採用されており、北村は「自分が取り組んだことのないタイプの現代曲に挑戦できて、すごく成長できた」と語る。12人で行われた最終審査では、中国出身の作曲家ファン・マンが書き下ろした新作に外部との連絡を遮断された状況下で取り組み、「すごく難しい曲でした。ファイナリストには、共通の課題に挑戦した仲間という意識を持ちました」と振り返った。5位という結果には「再挑戦できないコンクールなので悔しさはあった」としつつも、「ファン・マンに『あなたの演奏が一番私のイメージと近かった』と言ってもらえたのは自信になった。ベルギーの聴衆にも演奏を聴いてもらい、注目度の高さも実感した」と述べている。
リサイタルの前半では、コンクールでも演奏したブーランジェとプーランクに加え、「この中ではさきがけのような存在。フランス音楽の世界に招き入れるのにふさわしい」としてドビュッシーを演奏した。
後半には、藤倉大の「Nobody’s Nothings」とショスタコーヴィチの「チェロとピアノのためのソナタ」を配置した。藤倉の曲は昨年のスイス・ベルビエ音楽祭で聴いて感動したことから選曲したという。「2曲とも政治的弾圧が背景にある曲。前半と合わせて、作曲家の死生観や生きざまが見えてくるようなプログラムにしたかった」と意図を語り、留学先のベルリンで戦争やホロコーストの歴史を学んだことも影響したとしている。
ベルリンに留学してまもなく3年目を終える北村は、師事するイェンスペーター・マインツについて「生徒と距離が近くてすごく気さくな先生」と話し、「ドイツ音楽の解釈が全く変わった。ドイツ語を普段から聞いていることも大きい。やっぱり留学はしたほうがいい」と日々の学びを実感している。
現在22歳で、クラシック以外の音楽を学ぶなど幅を広げることに関心を持つ一方で、「世界情勢も不安定になる中、国境を超えてメッセージを発信できるような、音楽家として平和を訴えるような大きなプロジェクトができたら」と語っている。

