フランソワ=グザヴィエ・ロトが読響を11年ぶりに指揮…ヤナーチェク、マーラーを多様な解釈で - dメニューニュース
指揮者のフランソワ=グザヴィエ・ロトが11年ぶりに読売日本交響楽団へ客演、ヤナーチェクやマーラーなどを指揮へ
バロックから現代音楽まで幅広いレパートリーを誇る多才な指揮者、フランソワ=グザヴィエ・ロト(54)が11月、読売日本交響楽団に客演し、ヤナーチェクやマーラーなどを指揮する。今夏、セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)に出演したロトに近況を尋ねた。
作曲当時の楽器・演奏スタイルと現代のスタイルを自在に使い分けるオーケストラ「レ・シエクル」を創設し、世界のクラシック音楽界に衝撃を与えた指揮者は最近、新たな一歩を踏み出そうとしている。
8月末、長野県松本市のOMF公演。初めてサイトウ・キネン・オーケストラを指揮したブルックナーの交響曲第8番(ハース版)は、精巧に練り上げられた躍動感あふれる演奏だった。音を細かく震わせるビブラートを控えめにすることで生まれるすっきりとした透明な響きは、交響曲の堅固な構造を明確に描き出していた。
「メンバー一人ひとりの音楽への情熱と楽譜の読みの深さが、すばらしい結果を生んだ」と振り返る。サイトウ・キネンは常設オーケストラではないが、「異なる出自を持つ奏者がいるのは良いこと。多様性は演奏をさらに豊かなものにする」と言い切る。
パリ生まれで、フルートを学んだ後、指揮に転じたロト。その真骨頂は従来の解釈とは異なる視点で作品を読み解くことにある。例えば同時代のマーラーとブルックナー。2人の音楽観はまったく違う、と言う。「マーラーは近代的で機能的な響きを求めましたが、ブルックナーはオルガン音楽の古い伝統を作品に投影させた。同じような大音量で演奏してはいけない」
時代考証に基づいた演奏のみを金科玉条とするわけではない。11月の読響への客演は11年ぶりとなる。24日午後7時からの名曲シリーズ公演(東京・赤坂のサントリーホール)で披露するのはヤナーチェクの2曲だ。「今、一番興味を持っている作曲家で独自の音楽言語が魅力。狂詩曲『タラス・ブーリバ』は悲劇的で暗い物語、『シンフォニエッタ』はラジカルで実験的な精神にひかれる」
また、30日午後7時からの定期演奏会(同)ではマーラーの交響曲第4番と仏の現代作曲家フィリップ・マヌリの作品を取り上げる。「マーラーの九つの交響曲の中で最も親密な雰囲気を持ち、最終楽章のソプラノ独唱(種谷典子)も感動的です」と話す。
マヌリの作品はフルートの世界的名手エマニュエル・パユを独奏に迎え、フルートとオーケストラの掛け合いがダイナミックな感興を生む。「私が『パユのために書いてほしい』と作曲を依頼して初演した曲。終わり近くにサプライズがあるのでお楽しみに」とちゃめっ気たっぷりに笑った。
